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データの力でLINEサービスの価値向上を...Data Labsが採用説明会を開催

先日、「LINE Data Labs(データ分析・機械学習)採用説明会」が開催されました。

Data Labsは、データ分析や機械学習の活用によって、LINEのすべてのサービスの価値向上を目指すデータ専門組織です。Machine Learningチーム(以下、MLチーム)とData Scienceチーム(以下、DSチーム)で構成され、研究者、エンジニア、コンサルタントなど様々なバックグラウンドをもったメンバーが所属。日々、プロダクトやそのデータと向き合い、エンジニアや企画者と協力しながら最高のプロダクトを作ることをミッションに取り組んでいます。

今回の採用説明会では、Data Labsの各チームマネージャーが、日々の業務内容や開発体制、働く環境などについて紹介しました。その中からDSチーム、牟田のパートの一部をご紹介します。

Data Scienceチームから登壇したのは、マネージャーの牟田 博和。Data Scienceチームへの理解を深めるための基礎知識やプロジェクト事例、いま欲しい人材などについて紹介しました。

DSEセンターおよびData Labsについて

牟田

まず大前提ですが、LINEは会社全体としてデータ活用に力を入れています。LINEらしいやり方・考え方をまとめた「LINE STYLE 2.0」の中にも「Always Data-driven」(感覚ではなく、データ=事実を信じる)という項目があるほどです。私の立場でこれを語るとポジショントークに聞こえてしまいそうですが、データ分析をメインで担当している方だけでなく、すべての社員がデータに基づいて仕事や意思決定をすることを心がけています。我々のチームが良い成果を出す上で、データが重要視され多くのシーンで重宝されるという会社の文化が、LINEには備わっていることをまずお伝えしたいです。

当日の発表スライドより。文字が小さめなので、PCでの閲覧推奨です(以下、同)。スライドはコチラでも見ることができます。

データ活用ニーズの全社的な高まりを受けて、2019年3月に、Data Science and Engineeringセンターが設立されました。我々は「DSEセンター」と呼んでいます。DSEセンターのミッションは、LINE全体のデータ戦略の統括およびその実行です。Data ScienceチームおよびData LabsはDSEセンターに所属しています。

Data Labsは、DSEセンターの中で、攻めのデータ活用を先導する役割を担っていて、分析技術を活用した様々なデータ活用を進めています。MLチームがプロダクトを最適化する機械学習、要するにエンジニアリングに寄った役割、DSチームは人を動かすためのデータ分析、要するに意思決定支援に寄った役割という感じで役割が分かれています。

Data Scienceチームでの業務

牟田

次に、DSチームのミッションについて説明します。

まず1つ目は、「LINEの全てのサービスの競争力向上」です。あとから説明しますが、うちのチームのデータサイエンティストは基本的に1人に1つのプロジェクトがアサインされます。その担当プロジェクトの競争力強化にまずはコミットしましょう、ということです。その上で重要な視点は、「継続的改善の仕組みづくり」です。これは、データサイエンティストが介在しなくても正しい意思決定を続けられるような仕組みを作ることを指します。

これに加えて、「難易度の高い課題を解く」事による貢献も重要です。LINE全体の分析の知見が集まり、かつデータ解析の専門家が集まるDSチームだからこそ解ける問題がある、それを適切に定義して解くことでサービスに貢献したい、というものです。

2つ目のミッションは、自身がメインで担当するサービスだけでなく、「LINE全体のデータ活用レベルを向上させる」ことです。普段の分析業務で得た知見やノウハウを活かして、LINEのあらゆるサービスのデータ活用レベルの向上に貢献したいと考えています。

例えば良い分析事例があったときに、別のサービスで有用な可能性が高ければ、「社内イベントで事例共有」したり、それを「標準化して誰でも実行できるようツール化する」、「ABテストなど、よくやるデータ分析のプロセスを標準化する」とか、そういったことを指しています。

牟田

続けて、面接などで最もよく聞かれる質問なんですが、プロジェクトへのアサイン方針について説明します。

先ほども触れましたが、基本的には1人に1つプロジェクトアサインをしていて、DSチーム内で3人以上の小規模なチームを組んで各サービスの課題解決にあたることがほとんどです。我々がフォーカスする意思決定支援の業務は、ドメイン知識やデータそのものの理解がアウトプットの質に非常に大きく影響するので、1カ月ごとに異なるプロジェクトを担当するようなことはせず、1年単位で同じプロジェクトを担当してほしいと考えています。

分析レポートと紐付ける形でソースコードを管理し、それをチーム内でレビューし合うことで品質を担保し、分析のレベルを上げるための工夫をしています。異なるプロジェクトの担当者とは、Slackチャンネルで毎日コミュニケーションをとっていますし、週次の定例で事例共有をし合ったりしています。

牟田

チームではこのような体制で業務を進めていますが、その中で我々が心がけていることを3点、ここで強調してお伝えしておきたいと思います。

まず1つ目は、解くべき課題の設定においては、依頼されることを待つのではなく、「自ら主体的に動くということ」。我々はサービスの企画担当者よりデータに触れている時間は間違いなく長いので、我々だからこそ持つことができる視点は必ずあります。課題設定においては、その優位性を最大限に生かして、企画者と議論しながら進めてほしいと考えています。

2つ目は「本質的なことに集中するということ」。例えば、探索的な分析をして面白い結果が出ることはとても良いことなのですが、「その分析が本質的に重要なことなのかどうか」は常に自ら問いかけながら仕事をしてほしいと考えています。

3つ目は「分析して結果を伝えて終わるだけでなく、それを生かすところまでしっかり関わるということ」です。分析結果からどのようなアクションを取るべきかを議論し、それを実行し検証するサイクルを回す一連の流れに関わることが大事です。

牟田

続けて、MLチームとDSチームの役割の違いについて。はじめにも説明しましたが、MLチームはエンジニアリングに、DSチームは意思決定支援にフォーカスをしています。

MLチームはサービス個別のもの、例えばスタンプショップやLINEマンガのレコメンドシステムの開発を担当する一方で、LINE全体で共通で利用できるような機械学習プラットフォームの開発にも力を入れています。

DSチームは、MLチームと比較するとサービス個別の業務が多く、どちらかというと「課題が解決できれば手段は問わない」といったイメージで仕事をしています。シンプルな集計が適切な場合もあれば、複雑な統計モデルから示唆を導くことで価値を出せるような分析もあります。

チームメンバーに聞いてみた

牟田

ここからはDSチームのメンバーに回答してもらったアンケートについてお話します。

「どんな方がDSチームで活躍できそうですか?」という質問に対する回答です。分析スキルだけでなく、例えば「実装力がある」「自分の役割を広げて仕事を作れる」「不確定要素をデータ分析の領域に置き換えられる」など、分析以外の強みを持っていることが重要なのかな、と私自身も強く実感しています。

牟田

こちらは、「LINEでデータサイエンスに関わる面白さ・やりがいを教えて下さい」という質問に対する回答です。ここでのもっとも多い回答は、「データの量や種類が圧倒的に多い」といったものだと思います。日本で8200万MAUのLINEアプリだと1%サンプリングでも82万ですから、データ量やユーザー数に対する感覚が狂ってきている自覚もあります(笑)。さらに、事業の数も数十あり、国内でもトップのデータ量であることは間違いありません。

また、前のパートで言及した「課題設定はプロアクティブに」といったあたりからもご理解いただけるかと思いますが、メンバー数がサービス数や社内からの需要に対して少なめなこともあり、個人の裁量は非常に大きいと思います。

データの力で導くLINEアプリのこれから

牟田

最後に、LINEアプリの分析プロジェクトについて簡単に概要をお話しします。LINEのホームタブやウォレットタブなど、最近見た目が変化したことに気づいた方も多いのではと思います。DSチームでは、この変更に関する様々な意思決定をデータ面でサポートしています。

例えば、「これらのタブは長期的にどのような方針で改善を進めていくべきか」といった抽象度の高い課題もあれば、「新規追加した機能の利用状況を確認するためのダッシュボードを作る」といったかなり具体的なタスクまで、難易度・抽象度ともに非常に幅広いテーマで分析を行っています。もちろんABテストも随時実施しています。LINEアプリは機能が多く複雑なシステムなので、一見単純な変更であっても、予想もしなかった数値が動くこともあります。LINEのような複雑かつ大規模なアプリでテストを実施し適切な結果を導くことは、おそらく皆様の想像よりも難易度が高いはずです。

LINEアプリの改善プロジェクトについては、LINE DEVELOPER DAY 2019でも発表される予定です(※LINE DEVELOPER DAY 2019の参加登録は2019年11月14日まで。講演資料・動画は後日公開予定)。興味のある方はぜひご参加いただけると参考になると思います。

Data Scienceチームでは、データサイエンティストとプロジェクトマネージャー(データ分析)を募集しています。データの力でLINEを良くすることに興味がある方、ぜひ以下の宛先までご連絡ください!

Data Scienceチームの採用お問い合わせ窓口はこちら。dl_line_datalabs_contact@linecorp.com

「Data Scienceチームと募集中ポジションの紹介」資料はコチラから

関連採用情報※掲載時点での募集です

https://scdn.line-apps.com/stf/linecorp/ja/pr/OGP9maime.jpg
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桃木 耕太

2013年にLINEに中途で入社、今は開発組織と採用組織でWebサイト/コンテンツやイベントの企画/制作などをしてます。