OnLine

OnLINE
LINEでは、こうしてます。
LINEで働く理由

大規模サービスだからこそ経験できることって?LINEギフトを支えるPMとエンジニア対談

LINEで働く様々なメンバーに、LINEで働きながら感じる「らしさ」や「価値」を教えてもらう「LINEで働く理由」。今回は、LINE上を通して友だちにギフトを贈れるサービス「LINEギフト」のプロダクトマネージャーと開発チームのエンジニアにインタビュー。サービスの急成長を技術面から支える三人の社員に、LINEギフトでの日々の仕事や、成長フェーズならではの苦労や楽しさを聞きました。(写真左から稲生、名田、齊藤。)

――まずは自己紹介をお願いします。

稲生

2021年の4月に入社し、現在LINEギフトのプロダクトマネージャーをしています。経歴としては、大学卒業後から10数年にわたりエンジニアとしてサーバーサイドやアプリ開発、Web、フロントエンド、さらにインフラ、ブロックチェーンなどいろいろなレイヤーを経験してきました。社歴としてはLINEが3社目で、それまでは比較的小規模な会社にいて、CTOも経験しました。プロダクトマネージャーのポジションは実は初めてです。

入社のきっかけは、元同僚でLINEギフトで事業部長を務めている米田からの誘いがあったことです。PMとしてLINEギフトに来ないかと声をかけられたんです。自分のキャリアにとってもPMという役割に絞って経験を積めるのはよいことだと思ったし、LINEギフトの「キモチをカタチにする」というコンセプトや、ユーザー間のよりよいコミュニケーションづくりというミッションにも共感できました。

名田

僕は2021年5月に入社しました。前職では食品の生産機器を開発する会社で、機器のIoT化に従事していました。機器の稼働時間や状況をチェックし、管理・分析しやすくするためのIoT化ですね。そういったシステム作りをしていくなかで、工場の職員という限られた人だけでなく、より大勢の人に使ってもらえるものを作りたいと思うようになったのが、転職を考えたきっかけです。

LINEそのものももちろん、LINEギフトの累計ユーザー数も2022年6月時点で2500万人を超えていて、こうした規模の大きなサービスに携われているのは嬉しいし、やりがいも大きいなと日々感じています。LINEのサービスに関わるエンジニアとして選考を受け、そのなかでLINEギフトへの配属オファーを受けて承諾し、配属が決まりました。

齊藤

僕は2021年10月に入社しました。前職はSIerで、カスタマーサポートや要件定義、さらに開発としてはフロントエンド、サーバーサイドの両方を経験し、あわせて3年半ほど勤務していました。SIerのいろいろな業務を経験するなかで、自分の適性やこれから伸ばしたいスキルとして「開発」を重視したいと考えるようになり、特にコーディングやインフラ周りをもっと経験したいと思っていたところ、LINEの求人で条件に合うものがありした。

LINEギフトは、LINEの様々なサービスの中でも特に急成長しているということもあり、システム内部でいろいろな処理を走らせています。当然コードも複雑になりますし、少しいじるだけでも大変な工数になるはずですが、開発スピードを鈍らせることなく進化し続けているのがスゴイなと思っていて。実際に入社して内側を見るようになってからも、その気持ちは変わらないですね。

――LINEギフトのサービス内容と、PM・エンジニアそれぞれの仕事について教えてください。

稲生

簡単に言えば、LINE上の友だちに気軽にギフトを贈れるサービスです。ギフトには実際にモノを贈る「配送ギフト」と、お店などで引き換えたりクーポンとして使える「eギフト」があって、LINEで友だちになっていれば相手の住所を知らなくても贈れるのが大きな特徴ですね。

先ほど名田さんが話したように累計ユーザー数は2500万人、また2022年3月時点で約1000店舗に出店いただき、取り扱い商品数も10万点を超えています。LINE全体のなかでも特に注力している事業で、2021年には取引流通総額で前年比330%の成長を遂げました。2022年も引き続き、さらなるジャンプアップを目指しているところです。

PMの仕事としては、事業部内で事業計画が作成され、その目標に対する打ち手をロードマップ化したり、実際の取り組み方を検討することが、僕の所属する企画チームの主な担当業務です。コンバージョンレートを上げるためのプロダクト改善や、よりユーザーにとって使いやすくするための機能改善のほか、クリスマスなどのギフトシーズンに向けた施策の計画も行います。

稲生san2.gif

名田

僕や齊藤さんは、その施策にそって、リリースに向けての開発を行います。僕たちサーバーサイド開発側にも日々LINEギフトを運用するなかで上がってくるアラートがあって、修正が必要そうな箇所に対する改善を提案して、改善にあたることも多いですね。

例えばクリスマスやバレンタインなど、ギフトを贈ることの多い時期に向けてサーバー負荷を軽減する施策を提案しました。それらのシーズンには、瞬間的にトラフィックが大きく増えることも多いです。ユーザーがギフトを贈りたかったのに、できなかったという良くない体験をしてしまわないように十分に配慮しました。単純にサーバーを増やすだけでは解決しない問題もあり、他にもいくつかの改修を実施しています。

齊藤

どんなに利用が増えても集中しても「サービスを止めないこと」はやっぱりサーバーサイドエンジニアの命題ですね。加えて、ユーザーがここ最近急激に増えたことによる成長痛みたいな状況もあちこちに出ています。

例えばクーポン利用促進のために「あと何日で期限が切れます」というリマインドを送っているのですが、ユーザーが多すぎて深夜になっても送信処理が終わらないこともありました。そういった嬉しい悲鳴をどう改善していくかというところで、処理の軽量化や並列化等に取り組むことも多いです。

――PMとエンジニアは、お互いにどのように関わっているのですか。

稲生

名田さんと組んで進めている案件を例にお話ししますね。LINEギフトはYahoo!ショッピングとも連携を進めていて、僕が入社した当時から取り組んでいる案件があります。ヤフーさんとLINEギフトの成長のためにどのように連携していくのか、どのようにお互いのアセットを活用できそうかという検討から僕は参加していて、実際に「Yahoo!ショッピングの出店者の商品・在庫をLINEギフトと連動させる」という企画が立ち上がり、具体的に動き始めたところからエンジニアの方に入っていただいています。

Yahoo!ショッピングとは、やはりお互いにシステム的な違いもありますし、出店者の運用の違い、どんなデータがあるのか、在庫の変動はどんなタイミングで行われるのか......など、細かなところまで確認しあっていて。当初は開発サイドとも毎日ミーティングしていましたね。案件の動き始めは昨年の6月でしたが、本格的に開発にかかったのは7~8月で、9月にはQA、10月に第一段階としてのリリースに至りました。先にお話しした通り長期的なプロジェクトなので、今でも開発や改善は続いています。

名田

今朝もミーティングしましたよね(笑)。稲生さんはエンジニア経験が長いこともあって、こちらが欲しいと思うであろう情報、例えば外部と連携する際の技術仕様など、開発側でも調査できなくはないけれど、前もって用意されていると進行しやすい情報を先回りしてキャッチアップしてくれていたので進めやすかったですね。

開発者はどうしても目の前にあるコードだけに目を向けてしまいがちですし、僕のように調整や交渉は得意じゃないという人もいて。でも、稲生さんのようにPMとしてハブになってくれる人がいて、共通認識を作ってくれたり、進行管理をしてくれたりするのは本当にありがたいなって思っています。

名田san.gif

――お互いに仕事のコミュニケーションをするうえで気をつけていることはありますか。

稲生

同じチームとして、LINEギフトというひとつのプロダクトをより良くして、ユーザーへの価値を高めていくという方向性が揃っているというのは大前提です。そのうえで、「これをなぜやるのか」を開発側や他の役割のメンバーにも丁寧に伝えることは意識しています。

同じ方向を見続けていくためには「Why」と「What」の認識共有がとても大切だと思っていて。そこがきちんと共有できていれば、ユーザー目線や開発者目線で「これは違うのでは」「こういうやり方もあるのでは」といった提案やフィードバックをもらえることも多く、成果物もブラッシュアップできると思います。

齊藤

わかります。稲生さんはすごくそのあたりを丁寧に伝えてくれるし、僕たちもただ言われた通りに指示を受けて開発するのではなく、何のためにするのかという意図やコアな部分が本質的に理解できているからこそ、目的地に至るためのよりよいルートを提案できることもあるんですよね。

僕がエンジニアとして心がけているのは、開発にかかるコストをPMなど企画側にもきちんとお伝えすることです。エンジニアや開発経験のない方もいますし、どのくらいのスケジュールが必要かも掴みづらい部分もあると思うので、その仕様変更や開発にどのくらいのカロリーを使うかを意識して伝えるようにしています。そのうえで、「このやり方ならもう少し簡単にできる」などの提案をすると、「ではそれでお願いします」と言ってもらえることも多いですし。

名田

代替案は大切ですよね。僕もただ「無理です」と言うだけでは相手の方も困ってしまうので、この方法ならできるという別の手段を提案するようにしています。突っ返すのは簡単だけど、じゃあどうするのかをまた企画の方に考えてもらうのは効率が悪いし。

PMが「何のためにやることなのか」を伝えてくれているからこそですが、目的に向けてできることを建設的に考えて提案できるようにはしています。

稲生

それはすごく感じています。LINEギフトでは開発サイドから提案をもらう機会がすごく多いなって思っていて。エンジニアは開発の部分だけを担っているわけじゃないということを示せている環境だなと思います。

――LINEやLINEギフトの"らしさ"はどのようなところにあると感じますか。

稲生

個人的にLINEに入って驚いたのは、リリースのペースがすごく早いことですね。これだけの人数や規模で、隔週でのリリースをキープしていて、すごいなと素直に驚きました。フローがしっかり作られていて、しかも絶えずモアベターを模索しているからこそできることかもしれないです。

齊藤

リリースと言えばやはりLINEギフトはQAのレベルがすごく高いなと思います。開発サイドでももちろん動作確認はしていますが、QAを経ると「その操作は想定してなかった......」みたいなところまでテストしてくれていて、細かく、深くテストパターンを作って検証してくださっているのを感じます。そこへの信頼感が高いからこそ、開発に集中できるというのもリリースペースの維持につながっているのかもしれませんね。

齊藤san.gif

稲生

リリースしたいタイミングに向けて「間に合わせる」方法を一緒に考えてくれるレベルの高いエンジニアが集まっている印象はあります。事業のことを考えたうえで「これはやるべき」「これはここまででもいいのでは」など、要件や対応の中でも優先順位をつけながらコミュニケーションをとれる人が多いと思います。

――LINEギフトに関わることで、自身のキャリアにとってプラスになる要素はどのようなものですか。将来的なキャリアイメージも含めて教えてください。

稲生

やはりこの規模感でしょうか。LINEというユーザー基盤があったうえで、大規模なサービス展開をできる環境はとても大きなやりがいですし、ちょっとした改善でもきちんとユーザーの行動に反映されて改善を実感できることも多いです。

それから、そうは言ってもLINEギフトはまだまだ成長途上のサービス。解決したい課題もたくさんあります。例えば、長年改善できていないUIがあったり、ユーザーも商品も増えたことに対する、商品の探しやすさの改善や、データを活かしたユーザーと商品をマッチングさせるための仕組みづくりなどです。そのための環境が整っていない部分も正直に言えばあります。そういったところにも取り組めるのは、やりがいにつながると思います。

僕はPMのスキルをしっかり伸ばしていきたいです。さらに言えば急成長を続けているサービスの内側にいる、という経験はレアなので、スケール途上のサービスにつきもののフロー作りや体制整備などにも携われるのは貴重な経験になると思っています。

齊藤

規模感については僕も同感です。単純にSNSでLINEギフトについて書いてもらえているのが嬉しいというのもありますし、技術者としての目線としてはこれだけ多くのアクセスやリクエストがあるサービスは珍しいと思っていて。アクセスが多いことや集中するからなりの課題もたくさんあるし、サービスを止めないためにどうするか、より効率的に処理するにはどうするか、といった問いに答えて、問題を解決していくのがとても楽しいですね。

開発と運用を両輪で進めているからこそ、「ここをもっと触りやすくしておけばよかったな」というような反省点が見つかることもあり、次につながる学びをたくさん得られています。

名田

ユーザー数も多いLINEのファミリーサービスであるという特性上、ユーザーの個人情報を預かる立場としてセキュアな観点がとても大切だと思っています。そういったユーザーへの大きな責任をより強く感じながら仕事ができるのも貴重な体験ですよね。

安全性に加えてユーザーには楽しさや感動を与えるサービスをつくる。一方向だけを見て開発するのではなく、いろいろな視点からサービスを作っていけるのは、LINEギフトでの仕事から得られる大きな魅力だと思います。LINEという大きな基盤あってのサービス、というのも他のところにはなかなかない環境です。

僕はエンジニアとしてこれからも成長していきたいなと思っていて。LINEギフトの開発に加わってから、大規模なサービスを構築するうえでのサーバーの設計方法やプログラミング方法など、負荷に耐えられるシステムのつくり方をどんどんキャッチアップできている実感があります。今まで使っていなかった技術スタックを取り入れながら開発もできていて、エンジニアとして技術的にも成長していると感じています。

あとは、何より大きな成長をすごい速度で続けているサービスに携わるのは、わかりやすくやりがいと経験になっていると思います。サービスが成長しているからこそ次々と現れる課題を、苦労しながらも工夫して乗り越えることは、とても有意義な経験だなと。

ラストA2.gif

――LINEギフトを、今後こんなサービスにしていたい!と個人的に感じていることを教えてください。

稲生

PMという立場からも、事業としてLINEギフトをきちんと成長させ、日常に定着させることが大きな目標ですね。LINEギフトのような「ソーシャルギフト」というのは、日本ではまだまだ浸透していないものでもあると思っていて、その"文化"をつくることが目標なんです。

まだうまく言語化できない部分でもあるのですが、ギフトをもっと気軽に贈り合えたり、ギフトからコミュニケーションが生まれたり、コミュニケーションの一端にギフトが組み込まれたりするような文化。そんな場面の中心にLINEギフトがあればいいですね。

名田

僕は個人的な野望として、自分が開発した内容でクリスマスや母の日・父の日のようなGMV(流通取引総額)のもっと大きな"山"を作りたいなと思っています(笑)。その山をより高くかつ安定的に目指すために、古くなっている部分もあるシステムに新しい技術を取り入れて、より開発しがいのあるシステムにしていきたいなという開発者としての目標があります。

齊藤

LINEギフトを「20年続くサービス」にしたいです。LINEギフトは2022年で7周年になりますが、これからもずっと続いてほしいし、それでいて外からも内からも「古いサービス」と思われないような見た目や設計にしたい。純粋にサービスを持続させるだけでなく、例えば今の子どもたちが大人になってLINEギフトを使うようになっても「20年も続いてるんだ!」「全然古くさくないね」と感じてくれるとか。今1歳の自分の息子からLINEギフトでプレゼントをもらうのもひそかな夢ですね(笑)。

*

桃木 耕太

2013年にLINEに中途で入社、今は開発組織と採用組織でWebサイト/コンテンツやイベントの企画/制作などをしてます。