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ユーザーボイスを徹底分析!LINE Pay Taiwanの「Happy Weekly Meeting」

LINEでは、毎年一度、LINEグローバルグループ全体での社内アワード「Global WOW Project Awards」を開催しています。今回は、2021年度サービス部門の受賞者である LINE Pay Taiwanの皆さんに話を聞きました。(左上から時計回りに、マーケティング担当のティファニー、プロジェクトマネージャーのジョン、マーケティング担当のメロディ、CS担当のメーガン、事業開発担当のセレステ。)

  • LINE Pay Taiwan プロジェクト概要
  • 台湾のNo.1モバイル決済事業者であるLINE Pay Taiwan。LINE Pay Taiwanのユーザー数は2021年11月に1000万人を超え、台湾の平均2.3人に 1 人がLINE Payを使用していることに。2022年上半期の取引件数は1億6000万件を超え、取引額はニュー台湾ドル746億円(日本円で3417億円)を超える。

コロナ禍でユーザーの行動が激変

――LINE Pay Taiwanは、台湾No.1のモバイル決済として知られています。2021年、どんなチャレンジがあったのか教えてください。

ジョン

LINE Pay Taiwanは2015年にローンチしたサービスです。これまでの道のりは決して順風満帆じゃなくて、つらいこともたくさんありました。でも、そのたびに、チームのみんなが一緒に戦略を練ってくれて着実に成長してきました。2021年は特に重要な年でしたね。

2020年から続く新型コロナウイルス感染症が拡大して、LINE Payの加盟店が閉店したり、大型商業施設が営業を自粛したりしたことは、我々にとっても危機的状況でした。その反面、ニーズが拡大したオンラインショッピング、フードデリバリーなどに集中して、コロナ禍でも大きく成長できました。

ティファニー

台湾で感染拡大が特に深刻だった202156月は、ユーザーの行動が劇的に変化していて、当初のマーケティングプランが実行できませんでした。改めてユーザーニーズを調査してみると、外出などを自粛しながらの生活で、3C製品ーーコンピューター(Computer)・通信(Communication、携帯電話など)・家電(Consumer Electronics)ーーの需要が高まっていることがわかり、大手ECサービスとの接点を強化するなど、オンライン市場への施策を打ちだしました。

メロディ

あと、夜市のキャンペーンも印象的でしたね。夜市は台湾で暮らす人たちにとって大切な生活スポットで、国外からの観光客も訪れる重要な観光資源でもあります。ただ、長らく現金だけでやりとりされてきたローカル色の強い市場だったので、モバイル決済がなかなか普及せず、コロナ禍でも集客に困っていました。

中小企業の導入拡大を目指していた私たちは、夜市委員会(夜市の事業者コミュニティ)とコミュニケーションを重ねて、独自のLINE Payクーポンを開発しました。2021年初めから実施したクーポンキャンペーンでは、クーポンの利用率が90%を超えるほどに、ユーザーと加盟店から高い評価を得ることができました。その後も、非接触の決済を打ち出して、夜市の活性化を支援しました。

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関連プレスリリース(繁体字):https://linecorp.com/zh-hant/pr/news/zh-hant/2021/3610

Happy Weekly Meeting

――コロナ禍で、ユーザーの行動の変化をうまく捉えていったんですね。

メーガン

カスタマーサービスとしても、たくさんのユーザーや加盟店とコミュニケーションする中で、ユーザーの利便性を高めるように、レスポンスやフィードバックをできるだけ速くしようと心掛けていました。

ジョン

LINE Pay Taiwanでは「Users Rule()」を強く意識しています。例えば、オフラインの店舗では、日頃からユーザーとのリアルな接点を持っているので、クレームがあれば、すぐに改善できます。でも、我々のようなデジタルアプリでは、そうしたユーザーの深層心理まで把握するのは難しい。ユーザーは、サービスを気に入らないからといって、わざわざクレームを言ってくれるとは限りません。ただサービスが使われなくなるだけ、それか競合アプリに乗り換えられるだけです。

そこで我々はサービスを開始した2015年から現在まで、コールセンターに寄せられた声のほかに、あらゆるオンラインコミュニティを探索して、LINE Payに関するユーザーの意見を収集、分析しています。その上でどこを修正し、何を向上すべきか毎週議論して、各加盟店にも訪問しながら改善に努めています。また貴重な意見をいただいた方には、LINEポイント付与の謝礼も行っています。こうした活動は、まさしくUsers Ruleと言えると思います。

Users Ruleとは、「LINEらしいやり方・考え方」として掲げているLINE STYLE 2.0 キーワードの一つです。あらゆる方法を使って、隠れた真のユーザーニーズを問い続け、見つけ出すこととしています。

――毎週行われている議論というのは、具体的にどんな風にやっているのでしょうか。

ジョン

社内では「Happy Weekly Meeting」と呼んでいます。メンバーが本当にそう思ってくれているかはわかりませんが......(笑)。私を含むLINE Pay Taiwanのメンバーの多くが集まる会議です。コロナ禍以前は大きな会議室でやっていましたが、いまはビデオ会議で実施しています。感染拡大が続く中でもリモート会議に参加し、しっかりと成果を上げてくれているメンバーには心から感謝しています。

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セレステ

Happy Weekly Meetingでは、チームメンバーとの綿密なディスカッションだけでなく、ジョンさんとの定期的なゴールの見直し、課題設定をすることで、チーム全員のゴールが一致しているか確認できています。何かディスカッションが必要なときは頻繁にやっていますし、定期的なイベントというよりは、もはやLINE Pay Taiwanで確立されたスタイルの1つですね。

チームが1つになった募金キャンペーン

――ディスカッションした内容で特に印象に残っていることは?

セレステ

2021年4月の連休初日に、台湾で重大な列車事故が起こりました。「タロコ号」脱線事故です。LINE Pay Taiwanでは、事故発生から24時間以内に政府、金融機関など社内外の関係者との調整を済ませ、特設サイトを開設して寄付を募ることになりました。結果的に、9日間で16,600万ニュー台湾ドル(日本円に換算して、約76000万円)の寄付金を集めることができました。

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「タロコ号」脱線事故では、プラットフォームを活用し、スピーディに寄付金を集めるキャンペーンを実施した。
2021年4月のプレスリリース(繁体字): https://linecorp.com/zh-hant/pr/news/zh-hant/2021/3692

メロディ

台湾には大災害が起きたときに、政府が寄付金を集める文化があります。でも、これまでの送金手段は現金に限られていて、コンビニで寄付したい人の行列ができることもありました。LINE Pay Taiwanでは、2016年に起こった台湾南部地震をきっかけに、クレジットカード送金が可能なプラットフォームを開設していました。今回もそのときの送金プラットフォームを活用しました。

セレステ

タロコ号の脱線事故のときは、すぐに社内メンバーで連絡を取り合い、政府への連絡や承認、手数料交渉、プレスリリースなど、募金キャンペーンにまつわるタスクを動かし始めました。ちょうど祝日でしたので、公園でキャンペーンのキックオフのメッセージを受け取ったのを覚えています。その後、全員がそれぞれのパートに取り掛かって、1日中チャットで進捗状況や詳細をオープンに議論しました。おかげで、24時間以内にすべてを取りまとめて、キャンペーンをリリースできました。

LINE
Pay
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2021年には、LINE Payを通じて、総額4億600万ニュー台湾ドル(日本円で約18億円)の寄付金が集まった。
関連プレスリリース(繁体字): https://linecorp.com/zh-hant/pr/news/zh-hant/2022/4149

単なる「決済手段」を越えて、当たり前の存在に

――今後、皆さんがLINE Pay Taiwanで成し遂げたいことは?

セレステ

より多くのユーザー、加盟店にLINE Payのサービスを気に入ってもらい、満足してもらいたいです。そして、LINE Pay Taiwanのメンバー1人ひとりが自信をもって仕事に取り組めるようになればと思っています。

メロディ

周りの友だちにもLINE Payを気に入ってもらえたらいいなと思っています。そのためにも、成長し続け、自己実現したい。常に限界に挑戦していきます!

ティファニー

そうですね。もっとLINE Payの利用率を高めたいです。私の夢はLINE Payを台湾で当たり前の存在にすること。私たちにはユーザーの習慣を変える力があるんだと、チームメンバーにも認識してほしいです。

メーガン

すでにLINE Payは台湾のモバイル決済市場を席巻していますが、もっと進化させるべく前に進んでいくことが一番だと思います。今後、ユーザーの期待に応えられるよう、常にユーザーの立場に立ち、他のチームと協力しながら、サービスを向上させていきたいです。

――最後にジョンさん、今後の展望を聞かせてください。

ジョン

今後については、サービスの観点とLINE Pay Taiwanのメンバーの観点でお話しします。まずサービスの観点では、LINE Pay=単なる「決済手段」という認識を越えていきたいです。加盟店にとっては、LINE Payが数ある決済手段の1つではなく、現金よりも利益を上げられる手段として普及させたい。ユーザーにとっては、より生活パターンの一部として認識してもらえたらと考えています。誰でも生活パターンの中にはカバンがあり、財布があり、スマホがあります。それと同様に、台湾の人々の生活パターンの中にLINE Payがある、そんな状態にしていきたいです。

次にメンバーの観点です。LINE Payを当たり前の存在にしていくには、今日お話してきたように、メンバーの力が不可欠です。メンバーがプロジェクトで一生懸命に努力をしても、やりがいを感じない、なんてことがあってはいけません。成果を基盤に、LINE Pay Taiwanにいてよかったと思ってもらえるような会社にしていきたいと考えています。

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おそろいのマスクで集合写真を撮ってくれました。@LINE Pay Taiwan

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松永 理沙

PR室で社内広報をしています。2019年よりLINEに入社。スピーチやコピーライティング、PRなどの企業のブランド活動に携わってきました。休日は漫画、ゲームばかりで、長男・夫とインドアに過ごしてます。旅行も好きで、関東と中部圏のロープウェイは制覇しました。ダムも詳しいです。