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LINEでは、こうしてます。

100人超の多国籍メンバーを束ねる、オープンチャット流のデータドリブンな意思決定

LINEでは、毎年一度、LINEグローバルグループ全体での社内アワード「Global WOW Project Awards」を開催しています。今回は、2021年度サービス部門の受賞者であるLINEオープンチャットのメンバーに、100人以上のグローバルメンバーを牽引するチームワークの源泉について話を聞きました。

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左上から時計回りに、プロジェクトマネージャーのジェイコブ、企画のチョン・ダウン、デザインのチェ・ヨンラン、開発のイ・ボソク。

    • 「LINE オープンチャット」 プロジェクト概要
    • オープンチャットは、興味のあるテーマごとに友達を早く見つけ、気軽にコミュニケーションできる場所で、日本・台湾・タイの主要3ヶ国でサービスを展開。2022年8月時点で、日本の利用者は延べ2,100万人、台湾やタイも急速に利用が増えてきている。LINEでは、韓国、日本、タイ、台湾、ベトナムの5ヶ国にわたるグローバルチームで、100人以上のメンバーが携わっている。
      サービス紹介ページ:https://openchat-jp.line.me/

    100人以上の多国籍メンバーをつなぐ「データドリブン」

    ――オープンチャットはメンバーがたくさんいる大型プロジェクトですよね。まずは、プロジェクトの概要から聞かせてください。

    ジェイコブ

    オープンチャットは、日本、タイ、台湾で展開しているチャットサービスです。韓国、日本、タイ、台湾、ベトナムのTF(タスクフォース)メンバーと、それぞれの国のローカルチームで、開発、運用などをしています。2022年8月現在で100人以上のメンバーが携わっています。

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    ――2021年はオープンチャットにとって飛躍の年になりました。特に印象に残っている出来事は?

    ジェイコブ

    2021年末に、タイ、台湾、インドネシアにおけるLINEアプリのホームタブ刷新です。オープンチャットはLINEのアプリの中の一つのサービスになるので、LINEの仕様変更に大きな影響を受けます。このホームタブの刷新によって、オープンチャットへ流入してくるユーザー数の減少することや利便性の低下することが懸念されました。それを解決するために様々なアイデアを実行して、結果的にサービストップページのアクティブユーザー数が大幅に増加する大きな成果を出せました。

    その頃を思い返すと、国内外の関係部門との調整がとても大変でした。でも課題解決のために悩み続けて、諦めなかったことがいい結果につながったんだと思います。

    ――たしかに、調整が大変そうですね。しかも、100人以上のメンバーとSyncしながら動くわけですよね。

    ジェイコブ

    はい。いまも各国でメンバーが増えています。大勢のメンバーが、サービスの方向性や進捗状況をSync(同期)させてOne Teamを維持するために、データを根拠にした意思決定、データによる認識合わせを大切にしています。

    ダウン

    企画の仕事で難しいのって、いろんな国のユーザーとメンバーの多様な意見を受けて調整することなんです。国ごとに要望や優先順位が違うので、開発部門でもいろんな意見があがってきます。そこから本質的なユーザーニーズを見つけ出して、関連データやビジネスインパクト、サービス戦略なども考慮しながら、最良の判断をすることが一番難しい部分ですね。

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    ――そのためには、データを示すことが大事だと。

    ジェイコブ

    オープンチャットは企画初期段階からリリース後まで、全てのプロセスでデータに基づいた計画を立てて、方向性を決めています。プロジェクト全般でデータドリブンな意思決定ができるように、定期的なデータ分析のミーティングを行っているんです。具体的には、TFメンバーと関連部署が集まってサービスの成長率やマーケティング施策の結果などを共有する「TF Weekly」、各部門のリーダーが集まって主な課題について深く議論する「Management biweekly」、月次のKPIなど主要なデータを共有する「Monthly Data Analysis Meeting」を実施しています。

    ユーザーアクティビティのデータが突破口に

    ジェイコブ

    この他にも、中長期な戦略を練るための場として「Quarterly OpenChat Highlight」を新設しました。2022年は今までで2回開催しています。これはオープンチャットの戦略目標、KPIの進行状況をチェックして、次の四半期計画を決めるレビューミーティングという位置づけです。各メンバーが進行している業務と全体戦略の整合性を確認して、サービスの方向性をsyncしています。いずれにしても、我々は全てのプロセスでデータを意識しています。

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    ――デザインや開発面でも、何か意識していることはありますか。

    ヨンラン

    デザイン業務では、各国ユーザーの意見や市場環境を理解しなければなりません。ですので、主にユーザー調査やユーザーテストを実施して、そこからインサイトを得ながら意思決定をしています。ユーザーニーズを深く検討し、たくさんの意見を聞くことを大切にしています。

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    ボソク

    サーバー担当者としてもこの23年間で本当に大きな成長を遂げたと感じます。でもオープンチャットは、LINEと違って広く公開されたコミュニティですから、メディアやインフルエンサーを経由して、一気に大勢のユーザーが流入してくることがあります。そういう状態を「Hot Chat」と呼ぶのですが、Hot Chatを放置しておくとサービスが不安定になって、ユーザー満足度が低下してしまいます。私たちサーバー担当者の務めはその課題と常に向き合って、改善を図っていくことでした。常に挑戦し続けて、楽しむことを意識していたかなと思います。

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    興味関心ベースのコミュニティでNo.1

    ――皆さんが今後、プロジェクトを通じて「成し遂げたいこと」を教えてください。

    ジェイコブ

    繰り返しになりますが、オープンチャットは興味関心でつながって気軽にコミュニケーションできる場所として、日本、タイ、台湾でサービスを展開してきました。さらなるサービス成長、安定的な運営とリスク管理、収益化の基盤作りなど、まだまだ課題はありますが、これから私たちが競争すべき相手は世界中にユーザーを持つグローバルジャイアントのサービスです。競争相手には真似できない、我々ならではの便利さ、楽しさを追求して独自の世界観を作っていけば、やがて世界中にオープンチャットのインフルエンサーが生まれてくるかもしれません。ですので、まずは興味ベースのコミュニティサービスでNo.1を目指したい、というのが私の思いです。

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    Global WOW Project Awards 2021」のプレゼン資料より。

    ヨンラン

    人と人とが出会うところには必ずコミュニティがあります。我々としては、そうした1つひとつのコミュニティをサポートしていきたいですね。オープンチャットには無限の可能性があるはずなので、LINEのもう1つのコミュニケーションプラットフォームとして、普遍的な価値を提供していきたいです。

    ボソク

    そうですね。オープンチャットの基盤をより強固にして、グローバルで成功するサービスに育てていきたいですね。

    ダウン

    オープンチャットは成長し続けているサービスです。この勢いを維持しながら、たくさんのユーザーがサービスを楽しめるように、これからもサービス改善に努めていきます。

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    *

    松永 理沙

    PR室で社内広報をしています。2019年よりLINEに入社。スピーチやコピーライティング、PRなどの企業のブランド活動に携わってきました。休日は漫画、ゲームばかりで、長男・夫とインドアに過ごしてます。旅行も好きで、関東と中部圏のロープウェイは制覇しました。ダムも詳しいです。