信頼関係があればこそ! LINE Plusが「最高の働き方」をつくる過程
LINEでは、毎年一度、LINEグローバルグループ全体での社内アワード「Global WOW Project Awards」を開催しています。今回は、2021年度サポート部門の受賞者に、プロジェクトの裏話や思いを語ってもらいました。
ご紹介するのは、韓国にあるLINEの子会社、「LINE Plus Corporation」のPeople Partners Teamが取り組んだ「LINE Hybrid Work 1.0」プロジェクトです。プロジェクトマネージャーを務めたパク・キホと、企画を担当したコ・ミンジョンに話を聞きました。
写真左より、プロジェクトマネージャーかつ人事のパク・キホ、同じく人事のコ・ミンジョン。
- 「LINE Hybrid Work 1.0」 プロジェクト概要
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2021年7月1日〜2022年6月30日にLINE Plusで導入された働き方の制度を推進したプロジェクト。自宅以外からの勤務を可能にし、ワーケーションなどの選択肢を広げるとともに、オフィス環境をリニューアルした。現在は「平均80〜90%台」のリモート勤務率 を維持しており、他地域で勤務したいという社員からの申請も増加中。
パイロットプログラムから得た確信
――2021年7月、LINE Plusでの「LINE Hybrid Work 1.0」制度がスタートしました。始まりの経緯について教えてください。
キホ
きっかけは、やはり新型コロナの感染拡大です。韓国のLINE Plusでは、2020年初めにリモートワークを始めましたが、コロナ禍が長期化するものだと考え、一時的ではなく、長期を視野に入れた制度化を進めていました。
ミンジョン
具体的には2020年8月頃から制度設計について検討を始めています。でも私たち人事チームで初めから確固たるアイデアがあったわけではありませんでした。そんななか、私たちの背中を押してくれたのは、LINE PlusのCEOであるイ・ユンジュン (EJ)さんや人事チームのマネージャーであるチュ・ジョンファンさんです。韓国以外の国でワーケーションの事例が出てきたときに、「LINE Plusでも導入してみてはどうか?」と提案がありました。
当時、韓国では「コロナブルー」という言葉が流行っていて、リモートワークで自宅にずっと引きこもることで気分が憂鬱になったり、落ち込んだりという現象が起こっていたんです。そこで、チームで「LINE Plusにあった働き方はなんだろう」と考える中で、ワーケーション制度の話が出てきて「社員を全面的に信頼して何でもやってみましょう」とEJさんとジョンファンさんに意思決定していただいたことが非常に印象的でした。
そうして、いざ制度を始める前に、問題がないかを検討するために、2021年5〜6月に「パイロットプログラム」を運営することになりました。
――パイロットプログラムはどんな内容ですか?
ミンジョン
韓国内の特定エリアで1ヶ月間生活しながら業務をする方を募集し、抽選で選出した企画です。自宅ではなく新しい場所で過ごせる働き方自体がユニークであったおかげか、社内公募には予想以上にたくさんの希望者が集まりました。
キホ
正直にいうと、私たちも「本当にそんなことができるのだろうか」と思っていましたが、この「パイロットプログラム」でそんな不安は解消されました。参加メンバーの意見をヒアリングすることで、どんなサポートをすればよいのかよくわかりましたし、業務環境の構築やセキュリティ面の不安も取り除けました。プログラム後にLINE Plusのリーダーたちからも「業務効率や生産性の面で問題がなかった」「業務上のコミュニケーションにも不備がなかった」など多くのポジティブな意見が集まりました。
3人のパイロットプログラムのstoryをYouTubeで公開中。
――パイロットプログラムではどこの場所が人気でしたか?
キホ
チェジュ島など、いわゆる観光地に住む方が多かったです。このパイロットプログラムでのリフレッシュや癒しを通じて、このコロナブルーが解消されたという意見も多くみられました。なかには、家族と一緒に参加した方もいたのですが、業務後の時間を有意義に過ごせて、家族ともっと仲良くなったという声もありました。
こうしたパイロットプログラムで作った土台があったからこそ、自信を持ってLINE Plusでの新しい働き方をスタートできました。
スピード感の裏側にある「やってみよう!」の精神
――今回のプロジェクトが成功につながったアクションはなんでしょうか。
ミンジョン
「決まった場所で勤務する」わけではなくなるので、不測の事態に見舞われることもあるかもしれません。予想できる状況を色々と検討して対策も準備したのですが、事前に全て把握して備えるのは難しそうだったので、正直な気持ちは「これ本当にやっていいのかな?」でした(笑)。いろんな変数があるかもしれないなと心配だったんです。
でも新制度を始める日は2021年7月だと決まっていたので、「まずはやってみよう! その後に改善して補っていこう!」という気持ちに切り換えて、素早くローンチするという判断を取りました。
既にリモートワーク自体は運用していたので、実際には大きな変化は「勤務場所」だけです。もちろん不安はありましたが、会社として、まずはLINE Plusのメンバーを信頼しました。リモートワークでのパフォーマンスが良かったこともあって、別地域での勤務を許可しても問題ないのではと考えたんです。この信頼をベースにして、ワーケーションのような環境でも新しいアウトプットを出してくれるんじゃないかと考えて、企画のモチベーションを高めていました。
――その信頼関係を築くために、普段から工夫していることは何でしょうか。
ミンジョン
リモートワークが多くなってから、LINE Plusでは、働き方の「GROUND RULE」を設定して、全社的に共有しています。例えば、「Zoom会議をするときは、お互いの表情とか言葉遣いとかが分かるように、カメラをオンにして話しましょう」とか、「仕事が終わったら、Scrumを実施したりしてこまめに業務の共有やフィードバックや感謝のメッセージを送っておこう」とか。そういったリモートワーク上のルールをまとめたものです。メンバーが一緒に仕事をする上で、強い信頼関係を築いていけるような内容にしています。
「LINE Plusの働き方は最高だ」と感じてほしい
――LINE PlusでのLINE Hybrid Work 1.0がスタートして1年が経ちました。どんな効果が出てきていますか?
ミンジョン
「リフレッシュできている」という声のほかに、デザイナーなどから「クリエイティビティを刺激されている」という声もあがっています。新しいロケーションで仕事することで、これまでの職場環境・自宅環境では得がたいインサイトを得ることができ、それがパフォーマンスの向上にもつながっているようです。
――最後に、お二人がこのプロジェクトを通じて、成し遂げたいことは?
ミンジョン
LINE Plusでは、2022年7月から「LINE Hybrid Work 2.0」がスタートしました。新しい制度では、時差が4時間以内のエリアに限り、韓国国外からのリモート勤務が可能になりました。この働き方を通じて、特別な場所で日常生活が送れるようになり、業務以外でも新しい経験ができるようになりました。これからも制度をバージョンアップさせて、LINE Plusのみなさんに忘れられない経験をお届けしていきたいです。
キホ
LINE Hybrid Work 1.0の運用期間は1年間とあらかじめ決めていましたが、2.0は運用期間を定めません。すでに韓国国外からのリモートワークを実践するメンバーも出てきています。国をまたいで勤務できるようになれば、LINE Plusは本当の意味での「デジタルノマドを受け入れる会社」として、大きな強みを得られると思います。「LINE Plusの働き方は最高だ」と、たくさんの人に知ってもらえたらいいなと思っています。