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外国籍社員が安心して活躍できる場を。LINEが実践する「D&I」の取り組み

みなさんは、「D&I」という言葉を知っていますか?「D&I」とは、Diversity & Inclusionの略称で、「組織内に多様な属性(国籍、文化、障害、性別など)を持つ人がいることを理解して、それぞれが能力を発揮できるようにしよう」という考え方のことです。LINEが大事にしている価値観の一つで、LINEでは管理職向けにD&Iに関する研修も実施しています。

そんなLINEには、様々な国籍の社員や障がいをもつ社員など、多様なバックグラウンド、文化、考え方、特徴を持った人々が集まっています。特に、国籍については、現在30以上の国・地域の出身の社員が在籍しており、日本で働く社員のうち約20%弱が外国籍社員です。

今回の記事では、国内のLINEオフィスに在籍する外国籍社員に向けた「D&I」の取り組みのひとつとして、サポートを行っているお二人にお話しいただきました。(上記写真、左から池田、本田)

――まず、外国籍社員に対して行っているサポート内容について教えてください。

池田

一言でいうと、「海外から日本にきてLINEで働くことになった方の様々なサポート」です。日本に来るのが初めてで、日本語が話せない方にとっては、日本での生活は不安だらけですよね。そんな不安を取り去って、LINEでの就業をスムーズに開始し、仕事上のパフォーマンスを最大化する手助けをするのが私たちのチームです。

まず、あらゆる国・地域の社員が一緒に働く上で壁となるのが言語です。LINEでは、業務上では日本語・韓国語・英語の3言語を使っています。多くの社内システムが3言語に対応していますし、社員間のコミュニケーションツールも翻訳機能が搭載されているなど、言語について手厚くフォローしています。

また、社内のミーティングや全社員が参加する社内イベントでも、3言語の同時通訳が用意されていることが多く、言語で情報格差を生まない工夫を行っています。

加えて、外国語を学びたい社員は、人事チームが主催している日本語・英語・韓国語の語学講座を基本的に無料で受講することもできます。

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社員が閲覧できる、日本語講座の案内。BeginnerからSpecialまで、10レベル別に受講できる。

こうした業務上の言語のこと「以外」で発生する、「困った」を私たちのチームではサポートしています。

――具体的にはどういったサポートをしていますか?

池田

大きく分けて3つあります。LINEで働くことが決まった時、働き始めた時、そして退職する時です。

まず初めに、LINEで働くことが決まったら、就労ビザの取得代行を行います。通常は、本人が就労ビザの取得を手続きしないといけないのですが、LINEには代行資格を持つスタッフが在籍しているので、その手続きを代行しています。

――ビザの取得というと、ほぼ全ての外国籍社員が関わってきますね。

池田

そうですね。ビザは取得時だけでなく、更新の手続きも必要です。その更新の際にも、私たちのチームで代行しています。丸一日かかるような手続きで煩わしいとよく聞くので、業務に集中できる環境を整えるべく、行っています。

次に、ビザの手続きが終われば、日本で暮らしていくための手続きのサポートが始まります。入社してから生活が落ち着くまでは、契約まわりのサポートをメインで行います。外国籍社員の中には、海外から来る方もいれば、もともと国内在住の方もいますので、サポートが必要かどうかは各々にお任せしています。

よくサポートを必要としているのは、下記のようなケースですね。サポート内容も、個々人の事情にあわせて行っています。

  • ・住まいに関するサポート(住居探しや賃貸借契約、住民登録など)
  • ・銀行口座の開設
  • ・住民登録
  • ・携帯電話の契約

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――契約まわりは安心して暮らしていくための一歩ですよね。その国の文化が表れるところなので、本当に心強いかと思います。

本田

安心して働くためには、まずは安心して生活できることが大事だと考えています。一番は、スムーズに就業開始できたことで、早くパフォーマンスを発揮できると嬉しい声をいただいています。

来日前のサポートとして、なるべくカルチャーギャップを少なくできるように、事前に日本の文化について共有しておくことも多いです。そのために、入社する方が「どこの国でどんな文化なのか」「日本とどう違うのか」を調べ、その方にあった案内を行います。

例えば、東京だと、部屋が狭いことに驚かれる方が多くて、標準的な広さを事前に伝えることが多いですが、アジア圏だと割とカルチャーギャップが少なく、逆にヨーロッパ圏だとカルチャーギャップが大きいですね。

――その社員の地域に合わせた案内をしているんですね。入社後は、どんなサポートが多いですか?

池田

自分の部屋が決まって、例えば駐輪場の契約はどうすればいいか、ゴミはどうやって出すのかなど、生活全般が多いです。南国育ちの方だと、暖房器具について聞かれることもあります。

本田

私は京都オフィスにいるのですが、特に、日本のカルチャーや、住んでいる地域のカルチャーに関するサポートも多い印象です。

――コロナ禍によって、サポート内容にも変化はありましたか?

本田

例えば、「一時帰国したいけど、どうすればいいか」「母国に住む家族が会いにきたがっているが、入国が認められずどうすればいいか」というケースが増えました。

コロナ禍では、時期によって家族の入国の許可がおりないのですが、それも情勢によって状況が変わりますので、ビザ情報などの情報を常にキャッチアップしておくことが大事です。先日も、家族の入国を希望する社員をサポートし、無事にご家族に再会してもらうことができました。

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――ビザの手配について、実績の多いLINEだからこそ成り立つサポートですね。さきほど、京都でもサポートされていると聞きましたが、チームの体制についても教えてください。

池田

いま東京オフィスで、600人近くの外国籍社員がいますが、東京でサポートしているメンバーは6人です。実際に、契約の場に一緒についていくような、物理的なサポートをできるのは2~3人です。最近は、リモートでのサポートに加え、社内イントラネットでの情報を増やしていくなどして、広くサポートできる体制を整えているところです。

直近では、外国籍社員が使うSlack channelを開設して、その中で問題解決してもらうコミュニティを立ち上げたりもしています。

――海外で暮らしていくにあたって、コミュニティは重要な場となりそうです。

本田

コミュニティ施策としては、「Feel Japan」という取り組みを5年以上続けています。日本らしさを体験し、「日本に来てよかった!LINEに来てよかった!」と思えるコンテンツを企画し、案内しているツアーです。

以前は、外国籍社員とそのご家族向けに、バスを借り切って浅草観光をしたり、山梨県のワイン工場見学にいったり、地引網を体験しに行ったりしていました。

今は感染症の影響もあり外での活動はできませんが、代わりにオンラインでできることとして、水引を使った紅葉のモチーフを作るワークショップや、日本酒呑み比べ会(笑)を行いました。

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インストラクターより、細かな手の動きをレクチャーしてもらいました。ご家族含め17人が水引のワークショップに参加しました。

――面白そうです!日本酒呑み比べ、私も参加したいです(笑)。

本田

ぜひ(笑)。文化を知ることが目的ですが、外国籍社員同士の「横のつながり」が生まれるキッカケにもなっています。Feel Japan以外にも、国籍ごとのコミュニティの紹介もしています。

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――横のつながりが、日本で暮らしていくことの安心感にもつながりますよね。ほかにも、LINEならではのサポートはありますか?

池田

普通であれば退職後のサポートはないと思うのですが、LINEでは退職し帰国するところも支援しています。

海外転出手続きのサポートに始まり、納税手続や年金の還付手続のサポート、マンションの退去時のサポートも行っています。就業中はもちろんですが、LINEを退職した後も困ることのないようにという思いで支援しています。

――退職後もサポートしているとは、知りませんでした。インタビューは以上となります。ありがとうございました!


外国で働くことのストレスや不安は計り知れないと思いますが、いつでも相談し、頼りになる存在がいるだけで本当に心強いですよね。「外国で働いていることの不安をなくし、社員が能力を発揮できる環境を作りたい」、そんな想いを日々の細やかな気遣いから感じるインタビューでした。

OnLINEの読者にとって、「D&I」への興味が少しでも増していたら嬉しいです。「D&I」の取り組みについては、またお届けできたらと考えています。最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

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松永 理沙

PR室で社内広報をしています。2019年よりLINEに入社。スピーチやコピーライティング、PRなどの企業のブランド活動に携わってきました。休日は漫画、ゲームばかりで、長男・夫とインドアに過ごしてます。旅行も好きで、関東と中部圏のロープウェイは制覇しました。ダムも詳しいです。