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LINEでは、こうしてます。
LINEのなかみ

変化しつづける組織を支える人事企画の仕事の醍醐味とは?

LINEで生まれる新しいアイデアやサービスを支える部門・チームを紹介する「LINEのなかみ」。今回は、LINEグループの人事制度や働き方に関する制度企画を担うPeople Insight室から、評価制度や役員人事を担当する藤井遥奈、株式報酬制度の企画運営を担当する東由衣の2名に、担当プロジェクトの詳細や仕事のやりがいについて話を聞きました。(写真左から藤井、東)

――まずは自己紹介をお願いします。

藤井

電機メーカーに新卒入社し、エンジニア部門の人事と社内認定制度の企画運営を担当しました。その後、外資系IT企業でダイレクトリクルーティングを経験し、LINEには2016年10月に人事システムの担当として入社しました。PMI(Post Merger Integration)や営業部門のHRBPを経て、現在は評価制度と役員人事を担当しています。

建築用資材メーカーに営業として新卒入社後、人事に携わりたいと思うようになり、Webメディアを運営する小規模ITベンチャーに未経験人事として転職しました。そこで採用、労務、制度設計など人事業務全般を経験し、2019年7月にLINEに入社しました。人事評価などを担当し1年間産育休を取得後、2022年4月に復職して現在は株式報酬制度の企画運営を担当しています。

――お二人とも人事を軸にしたキャリアを築かれていますが、どんな部分にやりがいを感じているのでしょうか。

藤井

新卒で就職活動をしていた頃は財務経理を志望していましたが、縁があって人事配属になりました。初めは入社間もなく、会社のこともよく知らない自分が人事として何ができるのだろうかと思っていました。

そんなときに、先輩から「担当部門の人たちのためにできることがあるんじゃない?」と言われ、それをきっかけに担当部門への理解を深めたり、自分のやっていることが誰のためになっているのかを意識するようになりました。今では誰かの役に立っていることがやりがいにつながっていると思います。

私は営業として働いているなかで、業務改善に取り組んだときに、「これいいね」と声をかけてもらえたことがきっかけです。そこで感じたやりがいを仕事にしたいと思い、未経験ながら人事として転職する選択をしました。

ただ、「人の喜ぶ顔が見たい」という思いが起点ではありますが、人事の仕事は人の良い部分だけを見るものではなく、仕事がうまくいかずに苦しんでいる人と向き合うことも必要です。そういった場面では、個人として応援するだけではなく組織を変えていくことでできる応援もあるはずで、そこに大きなやりがいを感じています。

――さまざまな人事経験を積んできたなかで、なぜLINEに入社しようと思ったのでしょうか。

当時は会社のフェーズもあって採用業務がメインだったので、いざ制度企画の必要性が出てきたときに、どうしたらいいかわからないことが多く、なかなか前に進めない感覚がありました。本を読んだりセミナーに行ったりしても、空回りも多くて。型が決まっているものを発展させることはできても、何もないところから生み出したり、曖昧なものを形にしていくのは難しく、「人事の仕事が向いていないのかもしれない」と思うこともありました。

それでも今後のキャリアを考えると、組織に対する改善や制度を企画する力を身につけていくことが必要だし、挑戦してみたかったんです。自分を鍛えたい思いもあり、LINEへの転職を決めました。

藤井

人事以外の業務も経験するなかで、あらためて自分は人事の仕事にやりがいを感じていると気づき、当時募集していた人事システム領域の担当としてLINEに転職しました。そこからLINEのさまざまな人事業務を経験して現在では人事企画に携わることができています。LINEでは多くのプロジェクトで幅広い知識や視点を求められ、今ではこれまでの経験がすべて生きていることを感じています。

――業務内容について、最近担当されたプロジェクトとともに教えてください。

藤井

最近担当したものとしては、社員の人事評価制度の変更を行いました。これまで各部門での評価を取締役以上が参加する人事委員会で承認するフローをとっていましたが、複眼で評価を確認できるよう職種横断の分科会に変更しました。

LINEの評価制度は部門に大きな裁量があることが特徴です。組織規模の拡大など変化があるなかで、たとえば部門を越えて職種単位ではどのような傾向になっているのかなど、より評価の納得感を持てるようにと見直しを行いました。

変更に際して、まずはチーム内で意見の洗い出しを行い、さまざまな選択肢に対して人事担当役員からも意見をもらいました。それらを踏まえて実際のフローに落とし込み、より現場に近いHRBPチームと現場の温度感などを確認しながら調整していきました。また、この変更は役員以上に大きく影響するため、部門側への負荷を抑えつつ、自分たちの業務への影響も加味して現実的なラインを模索し、何度かシミュレーションをしながら具体的に定めていきました。

プロジェクトを進める上で良かったことは、「まずやってみる」というLINEの文化があったこと。周囲の理解や協力があり、短期間で新しい取り組みをすることができました。現在は実施を受けて見えてきたいくつかの課題に対応しながら、より一層組織にフィットさせるための調整をしています。

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私は、2019年に始まった3カ年の株式報酬制度の事例ですかね。具体的には、3カ年の株式報酬制度のなかで、2021年度の対象者に付与するまでの企画運営業務を担当しました。付与される株式がLINEからZホールディングスのものへ変更されることに伴い、何をどう配分し、付与していくのかを検討し、枠組みを確定させていきました。付与後のコミュニケーションプランについても検討した上で、無事2022年の夏に報酬の付与が完了したところです。

株式については前職で少し関わっていたものの深い知識はなかったため、上長や関係する部署と密に連携しながら進めていきました。この株式報酬制度は、会社の成長の原動力となるよう、「社員に魅力あるインセンティブを付与したい」という想いから始まったものなので、そのコンセプトがぶれないようにしていきたいと思っています。

ただ、株式報酬が付与されてから、受け取れるまでに一定の期間があるので、その価値を実感しにくい難点があります。それでもしっかりメリットを感じてもらえるよう、アナウンスや周知を引き続き大切にしていきたいと思っています。

――どんなところが人事企画の仕事の難しさだと感じますか?

関係者が非常に多いことでしょうか。私の場合はLINEの役員だけでなく親会社のZホールディングスをはじめ、ヤフー、LINE社内の法務や財務担当者、そして金融機関の方との連携も必要です。さらには国内外のLINE子会社のHR担当者とも連携が必要なため、ひとつのことを決めるにもさまざまな視点で考慮する必要があります。

組織は常に変化しつづけていて、当然指標も変化します。そのため、正解がなく曖昧な状態から形にしていくには、一つひとつ仮説検証しながら皆で議論して決めていく、根気のいる作業が必要です。私自身これまでにあまり経験したことのない仕事の進め方でしたが、「こことここがリンクするのか」という気づきによって会社への理解も深まり、今後施策を検討する上でも生きる良い経験となっています。

藤井

評価業務においてはHRBPとの連携がとても大事です。多くの場面で現場との窓口として連携しているので、常にコミュニケーションをとることを大事にしています。ちょっとした変更点でも、背景や意図を含めて連携しておくことでスムーズに進められると思っています。

また、評価は社員の関心が高い分野であり、さらにLINEの評価制度自体が部門に裁量を持たせた設計になっているため、他の会社ではあまり見かけない相談や質問も多くもらいます。それらすべてに返答するためには、制度そのものを深く理解することはもちろん、過去の事例や当事者の状況などを複合的に考慮する必要があります。最近ではHRBPチームと合同で勉強会を開催し、評価のポイントや差し戻しの観点などを事例として学びながら、現場の温度感をお互いに理解していく取り組みも始まっています。

――難易度の高い業務を進めていくにあたり、お二人がそれぞれ大切にされていることはありますか?

藤井

ひとつは、担当する業務領域を正しく理解すること。LINEでは担当者に大きな裁量があります。評価制度や株式報酬については私たちが一任されているため、正しい理解をしていないとすべてが間違って進んでしまうため、常にその責任を感じながら取り組んでいます。

もうひとつは、方向性や目的、進捗状況などを常に関係者と同期しておくこと。スピード感のあるLINEだからこそ、現場の社員が混乱しないように、より一層意識しているポイントです。特に評価においてはイレギュラーも多いですが、一部のイレギュラーに気を取られ過ぎず全体がちゃんと進行できているかを大事にしながら進めています。

状況を正しく理解し、整理された状態を自分のなかにつくっておくことを大切にしています。その上で、複雑な事象だからといって共有段階でつまづくことのないよう、そして経営層との会議をなるべく意思決定を促す場にできるよう、企画の際にはわかりやすく整理した資料をつくることを心がけています。

また複雑なステークホルダーを把握しながらコミュニケーションを適切に取り、細かい部分にも気を配るように意識しています。企画側の意図と情報を正しく整理して伝えることはとても重要です。関係者が多いからこそ、依頼の文面や会議での話し方といった部分でも気持ちよくコミュニケーションできるようにしています。

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――現在の課題は何でしょうか?チーム全体、そしてお二人それぞれの課題感を教えてください。

個人としては、ものごとをきちんと伝える力、そして前に進める力に課題を感じています。他のメンバーの仕事ぶりを間近で見ると自分に足りない部分が見えてくるので、そこは今後改善していきたいと思っています。

組織としては、より一層人事内での連携を強めていくことが必要だと感じています。人事組織のなかでも専門領域が分かれて人も多くなってきているため、各自が担当分野だけにフォーカスして施策を検討するのではなく、視野を広く持ち、経営や事業全体を理解した上で連携していくことが必要になってきています。

藤井

人事企画の仕事は役員に提案する場面も多いので、複雑なことを適切に整理して伝える力を磨いていかなければと感じています。

また、担当領域だけではなく、それ以外の引き出しも増やしていく必要性を感じています。LINEは多くの事業に取り組んでおり、それらの事業の領域やフェーズも、組織の歴史や構造も多種多様です。人事以外の領域により興味を持つことで視野も広がり、現場とコミュニケーションを取る上での共通言語が増えていけばいいなと思います。

組織としては HRBPがより現場に近いポジションとなっていますが、施策検討の際には現場の状況を無視することはできません。日頃から現場に関する情報や知識が入ってくるように意識していきたいと思います。

――LINEで働くやりがいや、そこで感じるLINEらしさについて教えてください。

藤井

LINEはスピード感があって変化も大きいので、濃い経験を積むことができます。人事企画といっても守備範囲は非常に幅広く、成長できる環境だと感じています。私自身、PMIとしてM&A周りを担当したことで会社の統廃合などに関する知識が増えるなど、予想もしなかった領域に自分の知識が広がりました。

また、役員との距離が近いことも特徴的だと思います。担当領域では執行役員以上の会議体で提案をしたり、直に意見を聞きに行くことも多々あり、貴重な経験ができていると思います。

スピード感はありつつ粘るところは粘ってこだわるので、その両面を経験できることにやりがいを感じています。意図と異なっていたり、重要度の違いがあったり、粘る部分には経営層の考えがあり、それを感じられる機会はとても貴重だと思っています。

LINEの特徴としては、「どうしたらできるのか」と考える思考を備えている人が多いこと。「こんなことできません」という話をほとんど聞いたことがなく、自分もポジティブに取り組むことができるのでプラスに感じています。

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――最後に改めて、LINEの人事企画として働くことの価値を教えてください。

LINEの人事企画ポジションは、難しい分成長できる環境だと思います。難しい局面ではどうしたらいいか戸惑うこともあると思いますが、それさえ一緒に楽しみながら乗り越えていけるように思います。

藤井

人事の経験があったとしても、LINEではそこからさらに深まっていく感覚があります。今あるものを整えるというより、あらたに何かをつくることのほうが多く、大きなチャレンジができる環境です。今後も人事の立場から会社や働く人たちに貢献できることを、いろいろとチャレンジしていきたいです。

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木下 早苗

採用マーケティング担当。コンテンツ企画・編集、Webサイト制作、イベント運営に関わっています。カレーが好きです。