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【LINEインターンシップ2023】セールス職 広告事業コースの5日間をレポート

LINEが今年開催した夏のインターンシップの1つ「セールス職 広告事業コース」は、LINEのマーケティングソリューションを用いて、実際のクライアント企業が抱えている課題を解決するプランをチームで考え、提案を行う5日間のイベント型プログラムです。LINEのセールス担当社員が日々行っているクライアントの課題発見から解決方法まで、企画・提案業務のリアリティを経験してもらうことを目的に開催しました。今回は、2023年8月21日から25日にかけてLINEの四谷オフィスにて開催されたインターンシップの様子をレポートします。

オリエンテーション・課題説明

5日間のインターンシップの開始前に、事前キックオフをオンラインで開催し、オリエンテーションとチームビルディングを実施しました。キックオフでは当日スムーズにグループワークに取り組めるように、自己紹介とチームビルディングのためのグループワークに取り組みました。

今回はアサヒビール様(以下、敬称略)からの課題提供のもと、LINEのデジタルソリューションを活用した若年層に向けたスマートドリンキングの浸透の施策立案がテーマ。クライアント・課題はキックオフで発表されました。

インプット

インターンシップ初日は、法人営業の仕事の進め方やLINEのマーケティングソリューションの特徴や活用例などの基礎情報に加え、今回のテーマとなるクライアント企業についてのインプットを行い、グループワークに備えました

参照LINEインターン 2020」企画営業職 広告事業コースの4日間をレポート

アサヒビールとの取り組みについて

その後、アサヒビールを担当するLINE社員より、アサヒビールの中期経営方針やLINEとの取り組みについてインプットを行いました。アサヒビールは中期経営方針のなかで「おいしさと楽しさで"変化するWell-being"に応え、持続可能な社会の実現に貢献する」をコンセプトとした長期戦略を掲げています。またビールを中心とした既存事業の成長と新規領域の拡大、持続的成長を実現するためのコア戦略の推進、長期戦略を支える経営基盤の強化を目指しています。LINEは2017年の「LINE公式アカウント」の開設から2023年の現在にいたるまで、多くの取り組みにおいて関わっています。実店舗や商品キャンペーン、「LINEプロモーションスタンプ」など、あらゆる顧客接点に「LINEの入口」をつくり、ユーザーのデータをログ化し、データの利活用※サイクルの構築をしています。

※全てユーザー許諾取得済みの情報です。

参照買い物中のユーザーにアプローチし、購入を後押し!「LINE POP Media」の実力とは?

クライアントヒアリング・グループワーク

インプット終了後5チームに分かれ、チームでのディスカッション・グループワークを経て、チームごとにアサヒビールへのヒアリングを実施しました。その後、グループワークを実施しながら発表に向けた提案内容の作成に取り組みました。各チームにはLINE社員のメンターが付き、それぞれの提案についてサポートしました。

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発表・提案

最終日には発表を行い、全グループの提案後、アサヒビールの審査担当者よりもっとも評価の高かった提案を選定してもらいました。本記事では、優勝チームと特別賞受賞チームの提案を紹介します。最終発表ではアサヒビールの担当者と、LINEのカンパニーエグゼクティブ社員が審査を担当しました。

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審査員の様子

優勝チーム(Dチーム

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Dチームの提案内容は、飲み方診断と写真シェア機能が搭載された新しいLINEミニアプリ「スマドリくん」。

Dチームより

  • 「若年層の『スマドリ』の認知度は、目標と比べて大きく乖離があります。施策を通して実現するスマートドリンキングの世界観は、飲める人も飲めない人も全員が同じ場で飲むことを楽しんでいる空間。これらを実現するために、認知・理解・体験・共有のなかでも特に体験・共有のフェーズに注目しました。20代前半の若年層特徴として、コミュニティ内での伝播・流行が多いと考え、オフライン・オンラインを問わずコミュニティ内で「スマドリ」を共有をしてもらうための施策を考えました。」

仕組み

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主な機能は2つ。1つ目は「飲み方診断&飲酒量レコーディング機能」です。これは、お酒の飲み方の形成と確立をサポートし、適切な飲酒を促す機能となっています。もう1つは「スマ撮りチャレンジ機能」。複数人の「スマドリくん」ユーザーが集まり、各々が好きなドリンクを楽しめる場を提供する機能です。

1.飲み方診断&飲酒量レコーディング機能

自分の好きな飲み方を登録するとその種類にあったキャラクターが作成されます。その後、アサヒビール開発の適正飲酒を促進するサービスである「飲酒量レコーディング」を使用することで、個人に合わせた飲み方が形成・確立されていきます。「飲酒量レコーディング」の現状のメイン利用者層はお酒が飲める人となっていますが、「スマドリくん」との連動を通じて、これまでタッチポイントをつくれていなかったお酒を飲めない・飲まない層の飲酒量やお酒の好みについての情報がアサヒビールに蓄積される仕組みです。

2.スマ撮りチャレンジ

複数人の「スマドリくん」ユーザーと一緒に飲む際に表示されるQRコードを読み取ることでお互いにポイントが付与される仕組みです。飲酒量に差がある人同士や、お酒が飲めない人同士で「スマ撮りチャレンジ」をすることでポイントが2倍になる機能も設けています。

2つの機能を掛け合わせることで、キャラクターが進化する演出が見られます。飲酒量レコーディングの継続的な利用や、「スマ撮りチャレンジの挑戦回数に応じ、キャラクターの姿が変わっていくことでスマドリが体現されている場が増えていることがわかります。「スマ撮りチャレンジ」をすることで、飲んでいる人たち全員のキャラクターが表示されたカメラフィルターでの撮影も可能になります。スマ撮りチャレンジ」によって撮影された写真をSNSにアップすることで、サービス普及を狙います。

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飲酒量レコーディングの継続的な利用や、スマ撮りチャレンジの挑戦回数に応じ、キャラクターの姿が変わっていく

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スマドリくん」ユーザー体験フロ

「スマドリくん」の導入によって、アサヒビール側に若年層のお酒の飲み方や嗜好性に関するユーザーのデータが蓄積され、パーソナライズされた広告によるアプローチや施策によって中長期的な売り上げ向上につなげられる想定です。ユーザーにとっても飲み方の形成や人を飲みの場に誘う理由づけ、自分や友のことを知るワクワク感を感じてもらえるメリットがあります。「スマートドリンキング」の浸透に関する提案にとどまらない、「おいしさと楽しさで変化するWell-beingに答え、持続可能社会の実現に貢献」することを目指しています

フィードバック

  • お客様の想いや考えに寄り添い、それに対して課題を整理して課題と施策の関連性を紐付けたプレゼンテーションがとてもわかりやすかった。一方で、数値根拠が少し弱く、そこはもう少し加えると良くなったと思う。
  • 20代の認知率をただ上げる施策ではなく、なぜ認知度を上げたいのかまでが組み込まれ、実現を目指した提案に感動した。
  • ゲーム要素を交えた施策はお酒を飲まない人へのフックにもなりそうだと感じた。

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アサヒビール デジタルマーケティング部部長 中田様との記念撮影

特別賞チーム(Bチーム

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Bチームの提案内容は「スマドリ」のLINE公式アカウントが、企業と消費者の関係を超え、楽しみながら新しい文化の醸成を目指した「不器用なワタシタチの飲みトモ」。

Bチームより

  • 「現状分析から、『スマドリ』の浸透における課題は、認知拡大とスマートカテゴリー商品の購入が不可欠だと考えました。また、若年層の健康志向の高まりなどを受け、飲酒離れが進んでいる状態です。20代前半の人々への事前アンケートを実施し、そこから3つの特性が浮かび上がりました。1つ目は、アルコール商品を選ぶ際、飲みなじみがある商品を選ぶ傾向にあること。ここから、商品選択をしてもらううえで、一度商品を体験することがポイントになりそうだと予測しました。2つ目は、年齢が若ければ若いほど自己評価よりも他己評価を重視する傾向にあること。本当に他己評価を重視する傾向にあるのかどうか、訂正調査を実施したところ、他者から悪い評価を受けることへの恐怖心が浮き彫りとなり、本音が見えにくい不器用な世代である印象を受けました。

    事前調査から、アサヒビールとターゲット消費者の課題感を踏まえた施策が必要になると考えています。そこで、私たちは本音が見えづらい不器用な世代の飲み会に対する障壁感を軽減してくれる『スマドリ』のLINE公式アカウント「不器用なワタシタチの飲みトモ」を提案します」

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仕組み

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飲み会の①集合前・飲み始め・②会計・③飲み終わり・その後に応じた3つの機能を設けています。

1.集合前・飲み始め:スマドリ宣言!!!

「スマドリ宣言!!!」とは、飲み会の前にその日の飲みスタンスを表明する機能です。LINE公式アカウントに「スマドリ宣言!」と送信後、届いたURL先でその日の飲みスタンスを宣言します。スマドリ宣言をすることで、飲み会前に参加者全員の飲みスタンスをお互いに把握できます。飲まない・飲めない人にとって言い出しにくい飲みスタンスをイメージキャラクターの芸人さんたちに重ねることで障壁を軽減する狙いもあります。

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2.会計:おいくらやったんゲーム

事前に実施したアンケートからも、2割以上が「自分が飲んでいる量が少ないのに割り勘のときに不公平感を感じる」という回答が出ています。「おいくらやったんゲーム」では、会計時にその日の飲み会の金額を当てるミニゲームです。LINE公式アカウントに「スマドリ完了!」と送るとその日の飲み会の金額を予想し入力でき、実際の金額との差額が少ない人から順に順位が出ていきます。お酒を飲まない人が飲み会で感じている割り勘の不公平感に対するアプローチにもなっています。

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3. 飲み終わり・その後:ええやん!ボタン

飲み会の参加者同士で、その日の飲みスタンスを肯定し、多様な飲み方を認め合うボタンです。SNSのいいねボタンから着想を得ています。飲める人・飲めない人・飲まない人全員の多様な飲み方があったから楽しい飲み会になったと想起させることが狙いです。

ええやん!をポイントとして貯めると、アサヒビールのスマートカテゴリー商品(以下、スマカテ商品)の無料引換券がもらえます。実際にスマカテ商品を体験してもらうことで、飲みなじみのある商品になっていき、販売促進につなげます。

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「LINE公式アカウントでは1to1のコミュニケーションが可能となるため、不器用な世代も本音を言いやすいと考えました。また、ええやんポイント・クーポンとの連携をすることで、認知から商品購入促進までの一環した取り組みでユーザーを引き込めると予測しています。アサヒビールはLINE公式アカウントを活用することで、ユーザーデータを活用し現状分析だけでなく将来的な商品開発の足がかりにもできると考えています。

※ユーザーデータの活用にはユーザーの許諾が必要です。

LINE公式アカウント×スマドリ」によってみんなが多様な飲み方をええやん!と言える世の中を目指していきます。

フィードバック

  • 自分たちの感覚値だけでなく、実際にアンケートを取って裏付けをしたうえで施策に落とし込んでいた点が良かった。
  • まずは飲む人が使うイメージを持った。飲む人が飲まない・飲めない人を「スマドリ」のLINE公式アカウントに誘い、喜んでもらえるような工夫があるとより良くなると思った。
  • 事前調査をしっかりしていた点は素晴らしかったが、実際の機能を使ってもらえるかどうかのユーザー調査を行えなかった点はもったいなかった。実際に飲み会で使うとどうなるのか、裏付けがあるとさらに良くなったと感じた。
  • 割り勘の不公平感は「スマドリ」を実現しようとするなかで絶対に出てくる課題だと感じる。その部分を解消しようとする施策は素晴らしかった。

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アサヒビール 新価値創造推進部 部長 東奥様との記念撮影

懇親会

発表が終わった後は懇親会を実施しました。懇親会は、2024年入社予定の内定者が懇親会の企画から進行までを実施しました。内定者が企画書の作成からメンター社員への説明、当日の司会進行まで行い、懇親会を盛り上げました。

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司会を行う内定者の布施さん

懇親会では実際の発表チームと担当メンターをシャッフルした座談会からはじまり、LINEや広告業界について、面接対策や入社してからの話など、就職活動の相談会を実施し、学生向けのコンテンツを多く設けました。

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実際に参加した学生の声

  • 期待していた以上の学びがありました。優秀なチームメンバーと尊敬できるメンターさんたちと濃密な時間を過ごせました。チームで働くことや、多様性の力と難しさ、そして自分自身の強みと弱みに正面から向き合うことができました。単なる就活の足がかりではなく、一個人としてはたらくことを再考するきっかけになりました。5日前の自分と今の自分を比べると、いい意味で別人だと思います。貴重な経験を与えてくださって本当にありがとうございました。
  • 5日間のインターンシップはもちろん、そのあとの懇親会もリアルなお話を聞けて、よりLINEのことを知れましたし、メンターさんは私たち個人の進路に真剣に向き合ってくださいました。また、対面開催すごくよかったです!
  • メンターの方が常に近くで話を聞いてくれ、わからない点はアドバイスをくれたため、ワークを円滑に進められました。1チームに対し2人のメンターがいたおかげで、自分たちだけでは気付けない視点や実現可能性にまつわるアドバイスを多くもらい、LINEのソリューションをより活かせるような考え方ができたと思います。
  • 自分はいままでファシリテートを行うことが多かったのですが、今回のインターンシップではアイデアマンとしての自分の新たな側面を発見できたことが大きかったと感じています。つらい瞬間も正直ありましたが、みんなが考えること自体を楽しみ、結果として優勝できたことが大きかったと思います。
  • 会社や社員の雰囲気が伝わり、自分が入社したらどういう働き方をするのかが鮮明にイメージできました。ワーク中は、実際のクライアントと話したりフィードバックをもらったりする機会があり、良い意味での緊張感やマナー、ビジネス知識など勉強になることがたくさんあり充実した5日間でした。メンター社員の方々も忙しい中チームの様子を見てくださったり、一緒に議論出来て新しい観点を得られました。

最後に

アサヒビール様からは「課題に対してこれまで何をやってきたかの深掘りや、アイデアをどのようにソリューションに結びつけ、LINE、アサヒビール、カスタマーの三方よしの提案にできるかなど、こういった深掘り思考は今後も生きていくスキルのはずです。ぜひ就職活動やその後の社会人生活に活かし、ぜひ自分のスキルにしてもらいたい」と総括いただきました。

LINEのセールス職インターンシップは、実際のクライアントに協力いただく実践的な機会になっているだけではなく、メンター社員のサポートや1on1も実施して、社風や雰囲気もリアルに感じられるプログラムになっています。ぜひ、働くおもしろさや価値を体感してもらえると嬉しいです。

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木下 早苗

採用マーケティング担当。コンテンツ企画・編集、Webサイト制作、イベント運営に関わっています。カレーが好きです。